『クリスマスの物語2024』

 

会場:NPO法人阿佐ヶ谷ワークショップ
2024年12月13日

サロンdeお芝居さんのリーディング&パフォーマンスに縁あって3年連続で観劇しています。
今年は、シェイクスピアの「十二夜」とゴーゴリーの「結婚」から「ああ、求婚」の2作です。
十二夜は朗読劇で長い話の中のオーシーノ公爵とヴィオラとオリヴィアの件をぎゅっとコンパクトにしたもの。
三角関係というか、オリヴィア姫に使える執事を含めると四角関係、ヴィオラは男装して双子の兄になりすましているので複雑な関係なのですが、それを初見でも分かりやすいようにすっかりした脚本になっていました。
登場人物が自分に都合良いように判断して(特に執事)笑えました。

「ああ、求婚」はロシアの話。
サロンdeお芝居さんは、ロシア作家ものを必ずチョイスされますね。古き良き時代の演劇を垣間見られるので毎回楽しみにしています。
こちらは裕福な商家の箱入り娘への求婚の話で、メインはこのお嬢様と求婚者の一人である役人のグズーキンでしょうか。
お嬢様はアガーフィアというのですが、年の頃は23.4歳なのかな。ご両親は他界していて(多分)おば上に育てられたといって良い。箱入りなので世間知らずだし、恥ずかしがり屋だし、おそらく人見知りでもある。
結婚相手を紹介する女性フョークラはお嬢様のために6人の男性を見つけてくる。そのうちの一人がグズーキンです。
このグズーキンというのが私から見るとどうしょもない奴です。優柔不断、プライドばかり高い小心者、自分は仕事が出来ると思っているけど評価はされていない。実際、仕事は出来ないでしょう。6名の候補者の中から彼が選ばれるわけですが、挙式当日、窓から飛び降りて逃走を図るという野郎です。
こんな奴と結婚しなくて良かったよお嬢様。
さて、このお嬢様も先に書いたとおり十代じゃあるまいし、ってところもあるのですが、しかりしている部分とそうでない部分のギャップがあり、仕草や表情がころころ変わりとても楽しめました。

『七海ひろきクリスマスディナーショー Dearest』

会場:ホテル日航つくば
2024年12月15日 G列下手

天華えまさん、有沙瞳さん、遙羽ららさん(皆さん98期生)が出演してくれた今年のディナーショー。
上級生としてかいちゃん(七海さん)は皆さんを引っ張る???そこは一見クールそうに見えるがほわほわなかいちゃん、お稽古でもやっぱりほわほわだったようです。
ショーではもちろんカッコイイかいちゃんが満載でしたよ。

今年は宝塚退団5周年ということで、東京會舘にはまあ様(朝夏まなとさん)が特別出演されます。ということはFC先行でも集中するかな?と思い、久しぶりにつくばを選びました。
日航ホテルは食事とショーが別ホールで、ショーの会場は横長なこともあり見やすいのですよね~。

今回の食事はこんな感じ(相変わらず料理名が凝っています)

ローストビーフ、ボリュームありました。
デザートはチョコレート好きなかいちゃんに肖って、チョコ系。甘いもの苦手なわたしは半分食べられなかった。パティシエさん、ごめんなさい。

テーブルは初めまして~な方々と同席になるわけですが、かいちゃんを通じて盛り上がりますし、偶然知り合いと同テーブルになることも。今回はまさにそうでした。
わたしは毎回ひとりで参加していますが、気後れしている方がいたらそんなこと気にせずどんどん参加しましょう。ひとりであることを気にして見送っていたら、ぜったいに損ですよ。

ショーはいきなりかいちゃんの元気いっぱいな開演あいさつから始まりました。それだけで客席は大盛り上がりです。
そして宝塚男役ばりの衣装で登場したかいちゃんとえまさんに、これまた現役生のディナーショーで娘役さんが着そうなドレスで登場の瞳さんとららさんによる、宝塚の曲でスタートしました。
今年は星組宙組で使われた歌で、かいちゃんが現役時代に歌っていないものも含まれていたかと。きっとかいちゃんが歌ってみたかったシリーズなのでしょう。

MCタイム、衣装チェンジもあり、時間はどんどん過ぎていきます。
昭和、平成、令和の歌を楽しそうに歌って踊って、客席も一体となって楽しみました。
天城越えペッパー警部、(えまちゃん達はリアルタイムでは知らない。私は知っているし、踊っていた・・・)そしてまさかの「マツケンサンバ」。よもやかいちゃんのディナーショー。でこれを聴くことになるとは。わたし、本家のマツケンサンバⅡを明治座で何度か観ましたが、負けず劣らずの盛り上がりでした。

ディナーショーでは珍しい選曲でしたが、いろいろな世代が楽しめる構成になっていたと思います。

かいちゃんのディナーショーを見終わると、あぁ今年も終わりだわと感慨深く思うわけです。名残惜しさも有りつつ、来年の出演者は誰だろう。ドレスを新調しようかな。と気持ちは1年後に飛ぶのでした。

今年は5周年イヤーでかいちゃんも私たちも忙しかったから、来年はゆったりモードを希望です。

『演劇ドラフトグランプリ THE FINAL』

会場:日本武道館
2024年12月10日 1階南東B列30番台

今回で最後なのは残念ですが、5.6年に1回くらいやってくれたら嬉しいな。
昨年と今年、七海さんが出るので観劇しましたが、演劇というコンテンツの無限の可能性を感じました。
箱は大きいけど、大道具はなく、演者が持ち運べる範囲の小道具のみ、まるで町の小さな芝居小屋のようです。
何せ、演者は5名ですからね。
役者さんの演技力、熱量がバシバシ伝わってきました。

与えられたテーマを基に20分以内の芝居。限られた時間内で起承転結を作る。まるで俳句のようです。

劇団「勝部」以外の4劇団は大笑いしながら泣いていました。
思いもよらない演出が有り、まさかリアルに料理を作ったり、全員いなくなったりするとは、武道館でやれることは全部やっておこう!という気概でしょうか。

七海さん率いる劇団「勝部」はラストを飾るのに相応しい作品でした。昨年の劇団「品行方正」とはまったく違うテイストで、今回の中ではもっとも演劇らしい演劇だったと思います。
テーマが「部活」だったので、まず何部になるのだろうと思っていたら、まさかの演劇部と応援部。演劇部は予想な中にあったけど、まさか応援部も出てくるとは。
演劇部も応援部も現役生が卒業したら廃部寸前で、演劇部は1人、応援部は2人、演劇経験がない応援部の2人が演劇部員として応援団役で出場するといった具合に演劇部顧問役の萩野さんが台本を当て書きするという。
顧問のセリフのひとつひとつが演じることへ生徒を追い詰め、また高みへ引き上げたり、演出家と役者の戦いのようであり、でもそこに優しさがあったり。
応援部の顧問で有り教員でも有る七海さんは、じつは教員になる前、小さな劇団で役者をしていた経歴を持ち、演劇部顧問はその頃の教師を知っているというもの。
そして演劇をやりたくないという応援部の1人に変わり、その役を七海さんがやることになるのですが、高校生役なので学ランを着ちゃいます。演出の私オムさんありがとう!!
少年ジャンプ編集長も言っていましたが、見たいと思うものを見せてくれましたよ。

演劇することを拒否していた生徒が思い直して戻ってくると、そこには七海さんが代わりにいて、彼に向かって「一度手にした役は、絶対に譲らない」(少し違うかも)と強い意志をぶつけてくる。役の関係性でいえば先生と生徒なのだから、生徒に明け渡すところなのだろうけど、この作品は役者同士のせめぎ合いであり、役者を目指すなら、演劇を続けるならこのくらいの気持ちがなくてはダメなのだとセリフを借りて先輩が後輩に知らしめているようでした。

今回のグランプリは荒牧慶彦さん率いる雪女、じゃなくて劇団「雪猿」でした。
ギャルが可愛かった。

『東洋空想世界 blue egoist』

会場:mirano-za
2024年11月19日 1階H列中央下手寄り
2024年12月1日 1階G列上手

初、mirano-zaだったので、まず劇場について触れさせてください。
収容人数は900人ちょっと、2階と3階にはサイド席があり。ステージの間口はそれほど広くありませんが、縦に長く作られています。そのため舞台装置は上に向かって立体的に作られます。
2000年以降に作られたホールは消防法の改正により1階席は段差が低めなため前方に高身長の方がいると視界を妨げます。それはここにも当てはまります。だから装置が上に延びるのですかね。
音響はすごく良いとは言いがたい。音楽が録音のせいか、たまに音割れが気になりました。
劇場サイズは広すぎ、ステージまで近く感じました。
場所は東急歌舞伎町ビルの6階
2階に直結しているエスカレータでビル内に入るとそこはいきなり飲食フロア、しかも屋台風なので騒がしい。
観劇の前後で必ずそこを通るのが雰囲気ぶち壊しです。
またエスカレータ横が野外ステージになっており、土日はライブをやっていて五月蠅いです。
オープン当初、物議をおこした2階のトイレは改装され普通になっています。
2階だけ見ると、東急にしては下品なビルを作ったなという印象になります。
ソワレ観劇の場合、終演後は西武線側の道から新宿駅に向かうことをお薦めします。

 

ではblue egoistですが
事前情報はまったくなく(わかっているのは衣装だけ)、題名からはファンタジー?SF?事前に配信されている歌詞だとSFではなさそう。出演者6名の役柄も不明(イケメンなのは確か)なまま1回目の観劇に挑みました。
客席に着くと、繁華街のざわめきが流れています。ざわめきの内容や雰囲気から現代の日本っぽさを感じます。(1回目では気づきませんでしたが、ブルエゴの曲も混ざっていました。
いよいよ始まります。
6名の歌とダンスから始まり、1曲目が終わると、メジャーデビュー前の男性ユニットのような「僕たちblue egoistで~す」というMCパートに。ふむふむblue egoistはユニット名なのね。と題名の由来が判りました。
そして2曲目に入り、その終盤で突然ステージ上に激しい衝突音と共にスポットが当たり、彼らは何が起きたか判らないといった風に固まったままそこを見つめていました。
わたしも交通事故でも起きたときのような音にびっくりして、七海さんの左側(スポットが当たっている部分)を凝視していました。(そこには何もありませんが、きっと何かが落ちてきたのでしょう。)

そこから舞台は替わり、6人の生い立ちが語られます。
七海さんの役からでした。七海さんは吸血鬼族の両親のあいだに生まれました。
次に狼男、きつね男、烏男、蜘蛛男、鬼の子(烏と鬼の子はいっしょに仲間になりますが、語られるのは蜘蛛さんの後。)
狼男さん、1度目の観劇では着ぐるみで登場したとき妙に息が切れていましたが、2度目はそんなことなかったですね。1度目はトラブル発生してたのでしょうか。

皆さん、ダンスは元より歌もお上手です。とくに蜘蛛さんの声量は目を見張るものがあります。
七海さん、ダンスしているときの指先が綺麗です。宝塚はクラシックバレエがベースなので、その辺りはさすがだなと思います。
パフォーマンスの中で七海さんが比較的低音パートを担当しているのには笑えます。アニメのユニットのときも男性声優に混ざって、低音パートを担当していました。なぜ?

6人は人の姿でそれぞれの特技を生かして動画配信を始めます。配信での人気は上々、世間は彼らをイケメンななりきりさんもしくはコスプレイヤーと思っているよう。
そしてついに歌って踊るというパフォーマンスを配信しているとステージ上に何かが落ちてくる。
冒頭部分はここのことだったというわけです。

2幕入ると、1幕の前向きさは消え去ります。6人はゴミの収集場のようなところに身を隠しています。
彼らはコスプレイヤーなどではなく本物だということがバレてしまったようです。
ステージ上に突然落ちてきたのは折れ曲がった血まみれの人の死体であり、狼男は我を忘れ、皆が止めるのも聞かずむさぼり食ってしまったのです。(この死体は鬼の子を捨てた母親で、殺したのは鬼の子)
この衝撃的なシーンは赤い照明の中で繰り広げられたのですが、1度目の観劇のときはほぼ正面に近い場所に座っていたにも関わらず、光の反射によるものなのかほとんど判らなかったのです。2度目は斜めに見る位置で、貪る狼男が見えたのですが。
照明による視覚効果を狙っているからでしょうか、座る場所で随分と変わってくるようです。

1幕では彼らは同じ方向を向いていましたが、2幕ではもうそんな余裕はないのでしょう。自制心を失った狼男を蜘蛛男が蜘蛛の糸で拘束しますが、「手伝って!」という彼の叫びに誰も手を貸そうとはしません。この場をとりあえず乗り切ろうと頓珍漢なことを繰り返します。そういったところが彼らの本性の一端を示しているのかもしれません。
最終的に6人はバラバラに身を隠すことにし、1人ずつそこから去って行きます。

後半は脚本にしまりがないな~という気がしました。1幕が良いだけにちょっと惜しいです。

歌詞の中で気に入ったところがあって、それは「フィクションにされたノンフィクション」ってところです。彼らの本音、彼らの叫びみたいです。

歌詞ではないけど、蜘蛛男の「や~ん」が可愛くて萌えです。(なんか萌えも最近使わないね。)糸を出すときにいちいち「や~ん」と言うのですが、「make yarn」から来ており、必殺技を繰り出すときに武器名を言うのを真似しているらしい。
「や~ん」の言い方が可愛かった~。

さて、この公演は相当体力的にキツいプログラムだと思いました。この6人に七海さんが呼ばれたことをファンとして誇りに思います。
そしてオファーを受けてくれてありがとう。大阪公演もがんばってください。

大阪公演で初観劇するチーム773の皆さま、かいちゃんの新しい魅力を堪能してください。ギャグ要素もありますよ。

『刀剣乱舞 祝玖寿 乱舞音曲祭』

会場:幕張メッセ
2024年11月15日 42列下手
会場:Kアリーナ横浜
2024年11月27日 レベル5 10列下手寄り(通路際で男士がそこに)
2024年11月28日 レベル5 9列下手

ミュージカル刀剣乱舞9周年の祭りでございますよ。
1回でいいから当たってくれ~と願ったら出演者先行枠で3回当たってしまった。しかも全て平日なので仕事時間との折り合いが・・・フレックスを使って7時から15時40分まで仕事してからの会場入り。早起きが苦手なのに5時起き、がんばりました。

さて、わたしは祭系を初めてナマで観ました。
いろいろ観劇するので、予算的にここまで手を広げられないことからもっぱらDMMで観ておりました。
が、今回久しぶりに新木宏典さんが出る。
どうしよう、どうしよう・・・でも祭りだし・・・でも今後、ミュージカル本編ににっかり青江が出る保証はない。そして新木さんがいつまでにっかり青江をやるかなんて判らない。

そう!!わたしは新木宏典さん演じるにっかり青江が好き!!!!!

と言うわけで、信念はいとも簡単に覆され、抽選申込⇒当選⇒観劇とあいないました。

まずは会場の感想から
幕張メッセコミケ参加依頼で、ライブ系を観たのは初
うん!ここはライブをやる場所ではない。観客の頭しか見えん!!巨大モニターで見ることを前提にしており、客席(パイプ椅子)はステージ方向を向いていない。早々に新木にっかり青江をステージ上で観ることは諦めモニターを凝視していました。
刀剣乱舞以外でもメッセが会場なら申し込むことはないでしょう。

Kアリーナ横浜は初めて足を踏み入れました。
ライブ用に作られた会場だけあり、音響良し、シートの座り心地はなかなか良し、アリーナ中央に向かって適度に弧を描いて設置されているため見やすい。大きすぎないので予想よりステージが近い。今回座ったレベル5はアリーナ全体が見渡せて良い。但しライトの当たり具合で見辛いところもある。ステージ上の新木にっかり青江をガン見できました。
オープン当初に駅からの導線が悪い、混むと非難囂々でしたが、かなり改善されたのかわたしにとっては終演後にこの程度の混雑は仕方ないのでは?というレベルでした。

セトリなどなど
選曲は好きな曲が多く使われ、嬉しい限りでした。
歴史上の人物は、メッセは徳川家康と信康、Kアリーナは田村麻呂、モレ、アテルイ

客席降りではKアリーナ1日目が通路際だったので男士を見放題
10人くらい来てくれたはず。
しかも明石国行はしばらく横にいた。わたしの「頑張って!!」を、イヤモニをずらして聞き取ってくれた。
通路際の恩恵をたっぷり味わった。新木にっかり青江は来てくれなかったけど(上手側に行ったようです)・・・

1幕目の「ありがとう」に引っかけた小芝居は28日が一番面白かった。
メッセはショップ(衣料品系)でお買い物
Kアリーナ27日は横浜中華街で食べ歩き(シュウマイ)そこに怪獣大般若長光が現れる。
28日は横浜の港でドラマ撮影(別れ話)、ADの動きがまさにADでした(^0^)

2幕目の手合わせ
メッセの組み合わせを忘れてしまった・・・(>_<)
Kアリーナ27日は今剣と日向正宗の短刀戦(最後が小学生の男子みたいで可愛かった)
Kアリーナ28日は小狐丸と蜻蛉切の大型戦(重量級のぶつかり合い迫力有り&大人)

観ての感想となると、新木にっかり青江にロックオン状態なので、仕草が色っぽい青江、可愛い青江、かっこいい青江、浴衣姿で誰よりもはっちゃけて踊る青江(新木さん本家本元を1ヶ月近く踊ったもんね)とですね、新木にっかり青江の事ばかりなってしまうのですよ。
かざぐるまの「腕の中には新たな命」のところで赤ちゃんを抱いている仕草をしていてですね。三百年を思い出してウルウル。
手遊びでは、あのときは1人だったけど、本丸のみんなとやって、やっと帰ってきたんだな~って。(衣装は初のものだけど)本編に登場するときは極の衣装に替わりますよね???
新木さんって、祭りであってもにっかり青江として歌って踊っているよね。途中の仕草とかにそれを感じる。

2幕目のスタートは新型コロナで上演が止まってしまった、あそこの映像から始まるとは思っていなかったのでメッセでは不意打ちでした。泣くのを堪えるのが大変だった。
そして「良いことあったでしょ」で終わるなんてニクいな。

そして残念なことにKアリーナ初日の通し稽古中に小竜景光が右足を負傷してしまいました。
2幕目のひと場面だけ出てくれたけど、どうかムリせず治してください。捻挫らしいのですが、癖になりやすいのでしっかりリハビリを続けてくださいね。

『記憶にございません!/Tiara Azul-Desitno』

会場:東京宝塚劇場/星組2024年10月29日 1階18列上手 e-プラス貸切公演

「記憶にございません!」は三谷幸喜のあの映画です。映画館で見たので、星組公演が発表されたときからとても楽しみにしていました。そしてこれでまこっちゃん(礼真琴)の卒業はないなと思ったのでのんびり構えていたら、娘役トップの舞空瞳ちゃんが今作で卒業を発表するというどんでん返しが。相手役として長く続けてくれたものね、心からありがとうと伝えたいです。

チケットは友の会は全滅し、他も外れ、最後の最後にイープラス貸切公演が当たってくれてやっと1回観られることに。最近はイープラス貸切が高確率で当たってくれるので助かっています。

宝塚歌劇の開演は男役トップさんの「本日はようこそ」で始まるご挨拶で始まります。そこがですね、今回はここから総理になっていたのですよ。最初から笑わせてくれました。日本憲政史上最低支持率を誇る総理だけあり、映画同様、初っぱなの「記憶にございません!」を連呼するあたりなかなかどうして良いですね。高飛車でイヤな奴がにじみ出ております。
カッコイイ男を演じる礼真琴はそれはそれはステキなのですが、コメディをやっているときの礼真琴も大好きですよ。まこっちゃんのコメディセンスは優れたものがあり、演技力、キャラクターの落とし込み力が一品であることの証明ですね。

野党第一党女性党首との絡みはどんな風にしてくれるのだろうと演目発表時から楽しみにしていましたが、映画よりはやや控え目ながらクスッと笑わせていただきました。

舞空瞳さんの妻は、卒業公演を楽しんでいる感が伝わってきました。水色の着物、似合っていましたね。
暁千星くんの秘書官は賢いのだろうけど野心が見え隠れしていて、おディーンさまを彷彿させました。
極美慎くんのフリーライターは映画で佐藤浩市がやっていたので、さすがに設定年齢は若く落とし込んでありましたが、胡散臭さはあったように思います。

映画より華やかで、最初から最後まで楽しませてくれた星組公演でした。

『ミュージカル七色いんこ』

会場:ステラボール
2024年9月22日 1階F列センター
2024年9月26日 1階N列下手

手塚治虫の同名のマンガをミュージカル化したもの、原作は未読、あえて読まずにそのまま観劇しました。未読でもまったく大丈夫ですよ。原作有り作品だと知らなくても大丈夫かとか心配する声を以前から目にしますが、原作を知らなきゃ判らない舞台や映画は駄作ですから。
そもそもオリジナル作品だったら、まったく知らない状態で観ますよね。そういうことですよ。

さて、主役の七色いんこ(代役専門の舞台俳優でじつは泥棒)は我らがかいちゃんこと七海ひろきです。最近ではすっかり2.5次元俳優イケメン枠ですね。宝塚男役出身の役者さんには同枠に入る資格を持つ方がたくさんいるのですが、是非とも卒業後もリアル男子よりかっこいい姿を公開してほしいです。
警部役の高木トモヒロさんは刀剣乱舞に歴史上の人物として登場しており、とってもすてきな役者さん。現代物でもやっぱりステキでした。
他にもですね、芸達者なベテランさんのアドリブを含めたお芝居と若手役者さんの勢いある演技やダンスでノンストップの2時間10分を楽しませてもらいました。

手塚作品というと描かれる時代の社会問題が根底にありますが、これもやはりそうです。
いんこの父は一代で財をなした人物で会社を大きくしていく段階でそれなりに後ろめたいことをやっている。政治家に賄賂を渡して便宜を図らせる程度のことは当たり前、へたすれば人の生死に関わることも。
またいんこはアメリカ留学時代(実際には逃亡して学校には行っていない)に行き倒れ寸前の所を助けてくれたアメリカ人役者(トビー)に弟子入りし、そこでエンターテイメントを学ぶのですがその人はベトナム戦争に兵士として参加している過去を持つ。当然、ベトナム人殺害に加わっており、帰国後に兵器商人が何食わぬ顔で大もうけしていることを知るとエンターテイメントの中でそれを断罪するという手段に出る。それにより兵器商人はベトナム人組織に殺害されるが、トビーも狙われ、ついには殺害される。
帰国したいんこはトビーと同じ手法で父を断罪することを誓う。
といった風にじつは社会派なストーリーになっているのでした。

かいちゃん演じるいんこは後半は自分の幼少期からアメリカ時代までを語るストーリーテラーのような役割を果たします。幸せではなかった時代の自分を見つめるいんこは辛そうなときもあるし、優しいまなざしで見守っているときもありました。セリフはないときの影芝居をしているかいちゃんはとても見応えがあります。

父の会社が作り上げた人型AIロボットの顔は息子の面影を残しているという件に、父親の複雑な思いを感じます。早世した妻(いんこの母)があんなに早く亡くならなければ、もう少し違ったのでしょうね。鍬形は貧しい時代を支えてくれた妻を幸せにしたいという一心だったのでしょう。でも彼女を失って、違う方向にベクトルが向いてしまったと思いたい。

宝塚で手塚作品といったら「ブラック・ジャック」ですが、「七色いんこ」もやりやすい作品ではないでしょか。ヒーローとヒロインとはっきりした悪役。本公演でやるには役が足りないので、特別公演とかでやらないかな~と思ったりして。